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きっとパンパンにはち切れそうな程、膨らんだ繭は限界だったのだ。様々な妬み嫉みを一身に背負った、わたしが千明の中にこさえてしまった繭は、ついに弾けてしまった。
背負いに背負ったヘイトは、少しずつ少しずつ繭の中の千明を蝕んだ。
人伝いに千明がわたしの悪口を言っていることを何度も耳にする。
だれがそんな酷いことを言っても、千明だけには「あいつはそんな奴じゃない」って、言って欲しかったのに。
千明はわたしの視えない繭の中で、わたしの知らない顔を、誰かに見せているのだ。
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