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授業終了のチャイムが鳴った。
俺はまだ信じられなかった。あんな出来事があったのに覚えていないなんて。
「あ、あのミーナ…じゃなくて清水さん?本当に俺のこと覚えてない?」
「何度も言わせないで。私はあなたのことなんて覚えてない。」
「小学生のころ、ミーナと俺で「はい。水谷くんそこまで。ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけどいいかしら?」
マユミ先生が片目を少し吊り上げて俺を見た。
マユミ先生は真面目な話をする時に片目を少し吊り上げる癖がある。これはクラスの中でも浸透しつつある。
「マユミ先生、俺、本当にミーナのこと知ってるんです。」
「あなたはやっぱり清水さんのこと、知っていたのね。」
「そりゃそうですよ。でもミーナは小学1年生の途中、何も言わずに転校してしまった。」
「そう。昔、清水さんが小学1年生の時に仲良くしていた男の子、それは水谷くんよね。そしてその時に清水さんと遊んで清水さんが崖から落ちてしまったのももちろん知ってるわよね。そしてそれを助けたのもあなた。」
「はい。あの時に助けたのは俺です。」
「でも、助けにいったあなたが崖から落ちて骨折してしまった。」
「そうです…ミーナを助けるのに夢中で。ミーナを引っ張って助けた後バランスを崩して落ちました。足を骨折して退院したらミーナはもう転校した後で…」
「私もその話きいたわ、でもね。清水さんが転校したのには訳があるの。」
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