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「てか、ジャンプの話で盛り上がっていたこいつ、誰?」
「誰って、この前言ったじゃん。顔はイケメンだけど、聖戦に参加中で現実には興味ない堕天使系って」
「……やっぱお前かよ。最近、美波の話題に出やがって。てめえ、表出ろや」
「ふ。俺は昔、数多く、無意味に人を殺めた過去がある。償えない。つらい過去だ。だから、今は無闇な殺生はしないと、誓っている」
「まじやべえ。殺人犯雇ってるコンビニ、まじやべえ。とりあえず警察」
「あ、一矢。今警察はダメ。ここバイトなかなか入らないの。堕天使がいないくなるとやばい」
「みなみに必要とされてるのか! 殺人犯なのにか!」
店長は心の中で思った。かっちゃん、君じゃみなみはダメなんだよ、と。
君じゃ、最後まで甲子園に連れて行ってあげられないんだ。
「俺、最近日曜の朝、お前と一緒に起きて、一緒にテレビ見ながらイチャイチャしてねえから、寂しくて。でも人を殺してる奴でも本気でお前が好きって言うなら、諦めるしかねえじゃねえか!」
「一矢……。違うよ。堕天使はただのイケメン。聖戦にしか興味ないしラインはしてないし、ニートだし、一矢の方が全然好きだよ。面白いのは堕天使だけど」
「く。やっぱ殺す! いますぐあいつ殺す」
「――仲間呼んだ。すぐ来るってよ」
サングラスの男が、ずっと黙っていたがとうとう静かにそういった。
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