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「お兄ちゃん……」
「お兄様!」
「お前、明らかに最近、一矢を避けてたろ。はっきり言わねえと、俺の手下8人がこのコンビニに集結するぞ」
「なに!? 四天王の部下、八人衆が」
「ちょっと山田君、君、だまってて。肉まん温めてきて」
カオスが続く中、かっちゃんと兄に問い詰められた美波が、俯く。
「だって、まじ、やばいなって思って」
「なにがだ?」
「この前、日曜の朝、一矢と魔法少女系のアニメ見たあと私、仮面ライダー系はちょっと2,5次元で萌えられないから無理って、シャワー浴びたのね。――覚えてるでしょ?」
「ああ。俺も眠くて二度寝しちゃったときか。確かにあの時ぐらいから様子が変だった!」
「私、見ちゃったの……。あ、やばいなって」
重い空気になり、山田の肉まん以外重く暗く、じめっとした空気が覆う。
店長も、修羅場に汗を拭きながら息を飲み、見守っていた。
「俺たちがどうしたんだ?」
「……お兄ちゃんが、一矢をお姫様抱っこして自分の部屋に連れて行って、その……15分ぐらい戻ってこなかったの!」
「ああ、ソファに転がってたこいつが邪魔だったからな。それが?」
「15分も二人っきりでベッドなんて、どう考えてもヤってるし! でも、一矢なら私、お兄ちゃんも好きだから身を引ける! けど、どっちが受なのかなって思ったら、まともに顔を見れなくて、つい堕天使の話ばかりしちゃって」
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