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それは、木々が秋に染まり風が体温を浚っていく季節。
そこのコンビニには三人の従業員が、神々の遊びのごとく暇をもてあそんでいた。
駅から30分。バス停まで10分、近くは建設会社やタクシー会社しかない、辺鄙な場所にある24時間営業のコンビニエンスストア。
長い爪を磨きながらレジに肘を起き、短いスカートから惜しげもなくむちむちの太ももを晒すのは、高校一年生、美波。がちで甲子園に連れて行ってくれる幼馴染が欲しい隠れオタクの絶滅寸前のギャルだ。
「店長、次に入ってくる人、受けか攻めか賭けません?」
「賭けない。というか、美波さん、また一番くじ勝手に入荷させた?」
「もっと他人行儀で津田さんって呼んで下さーい。もち、一番くじ目当てでコンビニで働いてるんだから、あ、私が設置しまーす」
「アルファベット男子って、そんな女性向けアニメのくじなんか、ここで売れるわけないじゃないか。困るよー。ここら辺、土木作業員か枯れたタクシーのおっちゃんしか来ないでしょ」
「ですです。八割受けだからマジやばいよね」
「やばいのは美波さんです」
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