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「・・・要さんの馬鹿」
囁くような咲良の声が聞こえた。
かと思うと首筋に強烈な痛みを俺は感じた。
「いっ!?」
俺はその首筋の痛みの原因が何なのかをすぐに理解した。
首筋のその強烈な痛みの原因は・・・咲良だ。
「咲良・・・ッ・・・痛い。・・・やめろ」
俺はそう言って俺に覆い被さるようにしてきている咲良の肩を軽く押してみた。
しかし、咲良はピクリとも動かなかった。
「ッ・・・咲良・・・」
「・・・俺は」
咲良の静かな声が耳元で聞こえた。
それと同時に首筋の痛みは僅かに和らいだ。
だが、その痛みの余韻はズクズクともどかしく続いていた。
俺は黙って咲良の言葉の続きを待った。
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