第2章 父と子

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なにか巻き込まれ事故にあった気分で学校を出て帰路についた。 無性に夏鈴の声が聴きたくて、コンビニに車を停めて電話をかけた。 『もしもし』 「夏鈴・・・」 『あれ? なにかあったの?』 「・・・どうしてわかるの?」 『だって、声が・・・泣いてるみたい』 夏鈴には適わないと思う。 「泣いてないけどさ・・・ちょっとあってな・・・」 『そっか・・・高校生相手って、大変だよね。気を付けて帰ってきて。頑張って美味しいご飯用意しちゃうから』 「うん。すぐに帰るよ」 帰りがけにケーキ屋によって、夏鈴と俺が好きなチーズケーキとショートケーキを買った。 甘いものと夏鈴に癒されたい。 どうして俺はこんなにささくれているんだろう? 生徒に手を出したとか、風紀を乱したとか、そんな言われ方されて・・・なんでこんなに不快なんだろう? あんなガキんちょに八つ当たりされちまって・・・怒るに怒れないし、すっきりしないせいもある。
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