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「達夫さん……すごく、ぁあ、いいです……もっと、僕にすがりついて啼いてください」
「ふぁあっ、あ、兄ちゃ……兄ちゃん……んぁ、いいっ、ぁ、もう、イクッ、でる、ぅう」
「いいですよ、いっしょにイキましょう……天国へ」
グウンと深くえぐるように貫かれ、達夫の目の奥で花火が弾けた。
「っ、くはぁああああ――ッ!」
「んっ、くぅう」
弾ける青年を感じながら、達夫はこれまで経験したことのないほどの開放感を味わっていた。ビクンビクンと快楽に全身を痙攣させる達夫の顔は、満ち足りた笑顔になっている。そこに、やさしくも冷たいキスが落とされた。
「は……ぁ、ありがとうございます。達夫さんのおかげで、僕は」
そこで声は途切れてしまった。それを追いかける余裕もなく、自分自身がとろけてなくなるほどの快楽に包まれた達夫は、そのまま意識を失って大海原にたゆたうクラゲのように、ゆらゆらと幸福な悦楽の夢をさまよった。
◇◆◇
「ん、う」
朝日にまぶたを染められて、目を覚ました達夫はムクリと起き上がった。ボリボリと頭を掻いて、部屋を見回す。食べ残しの豆腐とキムチの残骸がちゃぶ台に乗っていた。体をパタパタ両手で叩き、最後に尻を撫でてみる。
「うーん?」
これといって異常はない。
「夢……だったのか」
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