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飛び上がらんばかりによろこぶ姿に、達夫の自尊心がくすぐられた。いいってことよと笑いつつ、青年に手を伸ばす。
「ええっと、どうすりゃいいんだ」
「それは、僕にまかせてください」
「うん?」
「あなたはただ、寝転がっていてくれればいいですから」
「おう、そうか?」
勝手に動いてくれるのならば、ありがたい。こちらは勃つものさえ勃たせればいいのだから。そう思って、達夫はなんの疑問もこだわりも持たずに大の字になった。
「それでは、失礼して」
いそいそと覆いかぶさってきた青年の前髪が揺れて、顔立ちがはっきりと見える。すっきりとした目鼻立ちに、男前じゃないかとキスを受けながら感想を浮かべる。ひやりとしたキスはやわらかく、心地いい。暑さが軽減されて、いい気持ちだと達夫は目を閉じた。
するりと舌が口の中に入り込み、頬裏や上あごをくすぐられる。
「ふっ、ん……ぅ」
氷の塊からくゆる冷気を飲んでいるようだ。涼を求めて達夫は舌を動かした。
「んっ、ぅ」
ムシムシとした空気に熱された体が、いい具合に冷やされる。胸の上に落ちた指に胸筋を揉みしだかれて、奇妙な心地になった。筋肉の谷につたう汗が冷やされ、ほてった体がなぐさめられる。
それなのに、骨の奥から劣情がにじみ出てきた。
「ふっ、ん……んぅ」
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