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俺達の学校は、昔使っていた校舎が新築の校舎の横に、廃墟の様に立ってるのが特徴。
おっと、いい忘れてたがさっき琴梨が言ってた霊的先輩とは、闇野亜利香と言って中学で生徒会長を務めている霊専門のお祓い屋。
最初の方に言ってた、霊に詳しい先輩って言うのはこの人。
その先輩や俺らの事務所みたいな所が、今使われていない古校舎だ。
「先生~」
あともう一人。
俺のクラスの担任の月夜朔夜先生。
実は、月夜先生も霊的存在で夜叉の末裔である。
「どうしたんですか。そんな情けない声を出して」
そう月夜先生が言うと闇野亜利香先輩こと霊的先輩が水晶玉を持ちながら口を開く。
「月夜先生、いま琴梨が皿屋敷のお菊の霊を追っている模様。これは私の出番の様です」
霊的先輩が得意とする占いで今までの事を当てる。
そして何もかも知り尽くしたように風雅に聞く。
「風雅。策は練っているだろうな」
「策は練ってるよ。霊的先輩」
言ってしまった。
先輩の前ではこの「霊的先輩」は禁句だ。
それを聞いた瞬間、亜利香先輩が俺の胸ぐらを掴む。
「そのあだ名はやめろ。校長にチクるぞ」
「それで作戦は」
月夜先生が喧嘩など気にせず話を進める。
ほんとマイペースな先生。
「その皿屋敷の菊って霊、店の皿割って死んだんだろ。だったら皿の数数えさせたら良いん
じゃね」
いい案を出したって言うのに月夜先生の天然が突っ走る。
「お皿を出すならいっそパーティーでも開きません?」
「それは良い料理の本ならここに」
何で一致団結してんだよ。
「そんな事してる場合かよ」
ブチ切れるが2人はお構いなし。
「風雅さん。琴梨さんとお菊の霊をつれて来てください。井戸も用意しますんで」
「ホントかな」
俺は他の人に聞こえない様に言ったつもりだったが、
「何か?」
月夜先生には聞こえていた様でニタァーと笑い、こちらを見る。
ずっと授業とかしてもらってるけど、先生のこう言う所があまり慣れない。
「な、何もないです」
そして俺は教室から出ていく。
その間際に月夜先生の声が聞こえた。
「ご安全に~」
怖っ。なんか怖いことが起こりそう。
そうして俺は古校舎を出ていく。
その時風雅は気がつかなかったがその姿を見送る者があった。
「風雅キュン」
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