極楽浄土を汚す者

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 たっくあいつらどこ行った?  そこら中を走っていると、向こうの方から叫び声が聞こえた。 「ひゃあほー、たっのしー」  琴梨だ。  どこから手に入れたか自転車をすごい勢いでこいでいる。  そしてその前を必死に走る霊、お菊。  よし。気合い入れて叫ぶ。 「その霊を学校にいっ?」  しかし琴梨は無視し、俺をひいて向こうへ走っていく。 「ぐはっ」  風雅は怒りを(おさ)え琴梨に叫ぶ。 「琴梨、学校に連れていけ」 「あハハハハハ。リョーカーイ」  そして風雅はボロボロの体を持ち上げる。 「覚えとけ。(たた)られるぞ。いや祟るぞ」 「キャッは。鬼ごっこだー。まてー」  琴梨は楽しそうだがお菊は必死だ。 「ハアハア。まだ続くの?」  お菊の走る速度が遅くなっていく。 「つーかまーえた」  琴梨は速度を落とす事無くお菊に衝突してくる。 「これでおしまい?」  お菊の体に当たる。  丁度(ちょうど)その時。 「風雅さまの言葉をお忘れになったのー?」  そんな声が聞こえた途端(とたん)、自転車がパンクする。  その瞬間、琴梨は自転車から落ちる。 「ああっ」 「情けないお声」  その声の人物はよく知っている人だった。 「死神美杏(みあん)」  美杏は霊的先輩とコンビの死神《しにがみだ。  しかし本人はやる気がないらしい。  その他、風雅に恋した恋する乙女なのだ。 「よく覚えていたわね。あとお菊さん」   美杏はお菊に一つの紙を渡す。 「あなた。この地図の少林寺中学に行きなさい。分かりましたね」  とにかく上から目線の奴で、お菊も怯えた様に「はいっ」と言い走っていく。  走れるじゃん。  疲れてたくせに。
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