極楽浄土を汚す者

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「月夜せんせー、これ井戸じゃねーよ。ごみ箱だよ」  風雅がツッコんでも、月夜先生はお構いなし。 「そんなこと言っても、お菊さんも喜んでるよ~」 「気に入ったようじゃな」  2人の言葉を聞いて俺の頭の中は?マークがいっぱいになる。  そして俺は後ろにバッと振り返る。 「ピッタリサイズ」  琴梨がそう言う。  お菊の霊はゴミ箱にすっぽり入って、例えるとまるで温泉のよう。 「井戸じゃね~だろっ」  俺は思いっきりそのごみ箱をぶっ飛ばす。  ゴミ箱から、お菊の霊が出たと思ったら次は琴梨が入る。  そして、お菊の霊と琴梨がゴミ箱温泉の取り合いを始める。 「いちいち突っかからないでくださる~?」  そう言いながら、美杏が琴梨をゴミ箱から突き放す。  そこでまた喧嘩(かんか)が始まる。  まるで食物連鎖。  いや、喧嘩連鎖(けんかれんさ)だ。  その間に、お菊の霊はゴミ箱井戸に入る。  そして一言。 「成仏(じょうぶつ)、していいや」  そしてお菊の霊はスッと消えていく。 「成仏しましたね」  月夜先生は嬉しそうにお茶を飲む。 「せんせーお皿、数えてないですよね」  俺は月夜先生に聞いたつもりだったが、月夜先生は知らんぷり。  そして月夜先生は、お菊の霊が消えていった空を見上げる。  皆さん。  もしこう言った能力があるからって、余計(よけい)な事しないでくださいね。  大変な目に()います。  なので皆さんも間違ってでも、風雅さん達の様にならないでください。  もしそんな事になって、とり()かれたら、(はら)います。  いえ、(はら)いに行きます。  おっと、忘れてました。  あと一つ。  どこかに古い廃墟の様な学校があったら、そこに私たちがいるかも知れません。  よく探してくださいね。  そう言えば、もうこんな時間。  もう少しお話をしたかったのですが、ここまでです。  それではいつか会いましょう。  その時までどうか、ご安全に~。
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