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私のお腹の子はずっと敦司さんの子だと思い込んでいた父。
でも、相手が敦司さんではなく、敦司さんの親友の圭吾だと知り、落胆の色が隠せなかった。
「誰が相手でも、美紅の子供には変わりないんですから…いつまでもそんな落ち込んだ顔しないで下さい。
諏訪部さんに失礼ですよ」
「・・・」
母に怒られ、一層父は不機嫌になってしまった。
「桐生様、本当に圭吾はいい男ですよ」
「敦司君の方がいい男だと思うが・・・」
「私なんて滅相もない」
敦司さんも懸命にフォローしてくれるけど全く効果なし。
私達の間には不穏な空気が漂う。
「伊集院元総理が父親代わりだと訊いた。挙式も元総理的には盛大にやりたいそうだ。
こちらとしては、美紅のお腹が目立つ前に済ませたい」
「元総理がそう仰るなら、俺はそれに従うだけです。
異存はありません・・・」
「しかし、君は医者なのに、避妊方法を知らないのか？」
「それを言われますと・・・返す言葉はありません」
「お父さん！」
「一応、許したんだ。それ位言わせろっ。美紅」
「じゃ今夜は美紅の婚約パーティよ！！」
母の明るさが場を雰囲気を和ませた。
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