満たされない想い

3/11
前へ
/530ページ
次へ
逆に隣の椅子に座って黙々と食べるおっとりタイプの魁。 男の子にしてはおとなしめだから、少し心配。 双子なのに・・・全くタイプが違う。 「おはよう」 大欠伸をしながら、ピンクのフリフリネグリジェで起きて来たのは哲子さん。 彼女いや彼は桐生邸の使用人兼ボディガードとして同居していた。 「使用人なら使用人らしく、朝食とお弁当作りとか手伝って下さい。哲子さん」 「あら、留奈ちゃん貴方いつから…あたしに指図するようになったの?あたしに命令していいのは捺だけ」 捺は現在、北海道に出張中。 週末まで不在。 「幼稚園に遅れるわよ」 「え、あ…ヤバいっ!!岳、魁行くわよ!!」 私は食べかけのトーストを置いて立ち上がった。
/530ページ

最初のコメントを投稿しよう!

946人が本棚に入れています
本棚に追加