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少年は時折振り返り、私達がついてくるのを
確認しながら前を歩いていく。
圭ちゃんと2人で、念の為に周囲に
目を配りながらついていった。
ずっとのどかな大きな通りを進み、
島民や観光客の姿もある。
特に変わったこともなく、危ない感じもしない。
しばらく歩くと、少年は背の低い塀に囲まれた、
白い2階建ての建物に入った。
門には<Hospital>と書かれている。
「病院?」
圭ちゃんが呟く。
少年が振り返り、また手招きをする。
私は圭ちゃんと頷き合い、病院の中へ入った。
病院の待合室では数人の患者さんが
呼ばれるのを待っていた。
少年は看護士さんと顔見知りなのか、
挨拶を交わしながら待合室の奥にある
階段を登っていく。
そして2階に上がった真正面の病室へ。
私と圭ちゃんは恐る恐る中を覗き込んだ。
病室の中には左右三つずつ、
合わせて六つのベットが並んでいた。
少年は左側の一番手前のベットの横に立っていた。
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