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ぴちゃぴちゃぴちゃ…… 「あっ……ああっ……あうっ……」 レオは暗闇の部屋の中で吸血鬼化したエヴァンに押し倒し口を舐められ、味を吟味されていた。 そう、この日は満月でもっとも吸血鬼達にとって一番凶暴になる日。 エヴァンもハーバーに噛まれ吸血鬼の身体になり、ハーバーの発する魔力に操られ、吸血鬼の本能のままにレオを襲いレオの体をたしなんでいた。 そしてこの時のレオの方はと言うと、エヴァンから発せられる怪しい吸血鬼の瞳でまるで夢遊病のように意識を操られ、吸血鬼化したエヴァンによって体を好きなようにされていた。 首の方を少し脱がされエヴァンに体を舐められ感じているレオ。 やがてエヴァンはレオの体がある程度たしなんだ後静かにエヴァンはレオの首もとに顔を持っていき、レオの首もとを鋭く尖った牙で血を飲もうとした。 エヴァンがレオの生き血を飲もうとし首に牙をつきつけようとしたその時、ちょうど部屋の中にあった大きな古時計がボーンと大きな音を鳴らしこの時大時計は部屋中に鳴り響いた。 レオはこの時の大きな音でハッと意識が戻り、正常のレオに戻った。 そして目の前にいる目が真っ赤なエヴァンの姿を見てビックリし大きな叫び声をあげて急いでエヴァンの元から離れようとした。 エヴァンは急いで意識が戻ったレオを押さえ付け声をあげながらレオの首を狙い血を吸おうとした。 だが二人が取っ組み合いをしている最中、レオはあまりの師の変貌の姿を見て咄嗟にエヴァンが腰にぶら下げているエヴァンの剣を抜き、レオは思わず恐怖でそのままぶすりとエヴァンの心臓をそのまま刺し貫いてしまった。 「ぐぎゃあ!アアァ!!」 凄い形相をしてその場で倒れる吸血鬼化したエヴァン。 そして剣が刺さって倒れたエヴァンは、 「……レオ、貴様…」 と憎しみを込めた声を発し、そして仰向けになりながら剣が刺さったまま血を流し倒れた。
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