22人が本棚に入れています
本棚に追加
1
僕は東雲梓。二十歳にこの前成った。
成人式には面倒だから行ってない。
他人と関わることが、面倒くさい。
僕は小さい時から、他の人には見えないモノが見えた。子どもは敏感だ。自分と違う、その他大勢と違う者を、徹底的に排除する。
僕はそうされる前に、人の中には最初から入らなかった。
最初から一人なんだから、誰からも何も言われない。そう思ってた。
それが今も続いてる。
臆病な僕は、高校を卒業してからも、全く人の中には入れないでいる。
大学には行かなかった。行く必要性が無かったから。
その代わり、父がやってた骨董屋を、毎日開けて店番している。
骨董屋なんて、そうそう人が来る場所でも無い。だから僕は店に居るのは、平気だった。
父と母は海外を回って、色々な物を集めて来る。それは必要なんだろうか?という物も、中には有るんだけど。
小さい店には、骨董の外に、そんな物で溢れている。
骨董の価値は、僕の本当は見えないモノを見てしまう目で、よくわかる。だから父は、僕に骨董の仕入れは任せてくれている。
でも人と関わるのが本当に面倒だから、僕は本当に少しの人としか、取引をしていない。
最初のコメントを投稿しよう!