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 中には騙そうとしてくる人もいるんだ。面倒でしかない。  僕が若いからって、簡単に騙そうとしてくる人間が嫌いだ。  今日は金曜日だ。彼はまた来てくれるだろうか。  毎週金曜日決まった時間に現れるお客さん。  彼のことは何も知らない。  ただ僕とは正反対の、真っ黒い髪に綺麗な黒い目をしていることは知っている。僕は全体的に色素が薄くて、染めて無いのに茶色の髪だし、眼の色も茶色。  あぁ、まだ違う所はいっぱい有る。彼は癖の無い短い髪だけど、僕は癖毛でアチコチ跳ねるから、縛れる長さに髪の毛はしてある。毎日縛ってる。そうすれば、寝癖との格闘は無いのだ。  それから、僕のボウッとした目とは違って、力強い意志の有る目とか。強そうな体格だとか。僕は貧弱だ。それからそれから。挙げたらきっとキリが無い。  彼はきっと友達も多いだろうと思う。  彼が来るのはいつも昼過ぎの二時くらい。  そんな時間なのに、彼は何をしている人なんだろう。  歳はあんまり変わらない様に思うから、もしかしたら暇な大学生なのかもしれない。でも暇を潰すのに、骨董屋に来るなんて、変わった人だ。友達と遊ばないのかな?  この店の店番をしている僕が言うことでは無いか。     
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