第1章 初めての旅

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  「おい、キュット。 大丈夫か?」 「う……ん?」 おでこが冷たい。 頭の下が柔らかい。 私はバウクの声で気が付いた。 「え? ええ?」 リンさんの顔を見上げている私。 起きあがろうとすると、バウクに押さえられた。 「もう少し休んでいた方がいい。」 リンさんが膝枕をしてくれている。 私のおでこには、濡れタオルが乗せてあった。 一体なぜこんな状況に? 私は記憶をたどっていった。 まだ朝霧のかかる森。 金の核が山から姿をのぞかせようとしている頃、私たちは長老様の屋敷を出発した。 朝早いにも関わらず、集落のほぼ全員が見送りに来ていた。 私たちは意気揚々と旅の一歩を踏み出したのだった。
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