第1章 初めての旅

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  「そこ違う、もっと引っ張れ! そうだ、もっと奥だ。」 ヘトヘトの私たちに、鬼教官の容赦ない怒声が飛び交う。 旅慣れしていない私たちは、テントの張り方さえ知らない。 そこへ持って鬼教官の指示が容赦なく降り注ぐ。 2つのテントを張り終えるのに、3時間程かかった。 金の核はすでに傾きかけており、私たちは遅めの昼食にやっとありついたのだ。 昼食はオットさん特製のお弁当。 私が作る料理より、見た目も味も良い。 流石、長老様の身の回りのお世話をしているだけのことはある。 「やっと、一息つけるね。」 「ああ、本当鬼だな。」 バウクがお弁当を広げながら、ぶーたれていた。 「何か言ったか?」 「いえ、何も。」 バウクの声が聞こえたのか、鬼教官がバウクを睨んだ。 バウクはすぐさま否定する。
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