2人が本棚に入れています
本棚に追加
「そこ違う、もっと引っ張れ!
そうだ、もっと奥だ。」
ヘトヘトの私たちに、鬼教官の容赦ない怒声が飛び交う。
旅慣れしていない私たちは、テントの張り方さえ知らない。
そこへ持って鬼教官の指示が容赦なく降り注ぐ。
2つのテントを張り終えるのに、3時間程かかった。
金の核はすでに傾きかけており、私たちは遅めの昼食にやっとありついたのだ。
昼食はオットさん特製のお弁当。
私が作る料理より、見た目も味も良い。
流石、長老様の身の回りのお世話をしているだけのことはある。
「やっと、一息つけるね。」
「ああ、本当鬼だな。」
バウクがお弁当を広げながら、ぶーたれていた。
「何か言ったか?」
「いえ、何も。」
バウクの声が聞こえたのか、鬼教官がバウクを睨んだ。
バウクはすぐさま否定する。
最初のコメントを投稿しよう!