目覚める。

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「ちょっと! 誰がオバサンよ失礼ね!」 彼女は1994年(平成6年)生まれの23歳。 オバサンと呼ばれるにはまだまだ早い年頃である。 しかし、彼女が振り返るやその目に映った小学校高学年位の少年は、彼女からの抗議を鼻先で笑って言葉を続けるのであった。 俗に言う処の嫌な子。 嫌な子で悪ければ憎たらしい子。 どちらの条件も満遍なく満たしているから、タチも悪いが意地と口まで悪い子とも言える。 「女はあんたしかいないじゃんか… はいはい、分かりましたよブスのお姉さん。 これでいいんでしょ? ほら、さっさとどいてよ。 わざわざ東京からサザン撮りに来たんだから僕」 「ブスで悪かったわね… それはそうと、あなたおバカぁ? 良いわけないじゃない。 場所取りする前にやることがあるんじゃないの? それが分かるまで、絶対にどいてなんかあげませんからね」
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