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「なぜ…!」  気付けば、静かに白銀の双眸が見下ろしていた。  レイレスが息を飲む。  そっと、エィウルスはその唇に口付けた。 「…っ」  レイレスは力強く睨みあげる。だがエィウルスは静かに見下ろしていた。、 「お前を抱くことに、理由など必要ないと言ったはずだ」 「…!」 「お前を抱くのは、お前が女のような姿をしているからでも、その変わりということでもない」 「なにを…」 「跪いて、お前に服従すれば、お前は手に入るのか」  見つめる銀の瞳が細められる。 「お前に血を与え、その代償に俺はお前を抱く。お前たち吸血は、皆そうなのか」 『皆』という言葉に、レイレスは違和感を覚えた。 「…おまえ…」  長い指が、唇をなぞる。 「…おまえ、誰のことを言っているんだ?」 「……」  問うレイレスに、エィウルスは答えない。  ただ、なぞるその指は震えていた。  閉じられた瞼も、銀の睫毛が震えるのを、レイレスは見た。  「…エィウルス…?」   閉じられたままのその瞼に触れようとして、眼前に挿頭した瞬間。  乱雑に、その手をエィウルスは掴み、捻るように地へと押し付けた。 「!…っつ…ぁ…!」  エィウルスの唇がレイレスを塞ぐ。  強引に抉じ開け、舌がレイレスの咥内を蹂躙する。 「…ん、ぅ…っ、ん…!」  小さなレイレスの口を壊すように、エィウルスは口付けた。 「ん…、く、ふ…」  息が出来ずに意識が遠のく。  眩んだ意識の中、唾液を引いて、エィウルスが離れた。 「あ…ふ…」  胸が楽になり、大きく息を吸う。白い己の胸が見えた。  エィウルスが、身を離したのだと思った。     膝を、撫で上げるような感触が奔った。 「…?」
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