5/33
前へ
/33ページ
次へ
 胸まで持ち上げられ、次の瞬間には身体を折りたたまれていた。  そして、灼熱の痛みが身体を突き抜けた。 「ひ…ッ…ぁあああっ…!!」  悲鳴が、耳に触れた。  それが己の発するものだとは、レイレスは気が付かなかった。  「あ…あ、…あ、やめ…っ」  目前のエィウルスに、ただ縋るしか無かった。 「いや…、やめ----…っ!」  何か、大きな熱の塊が侵食してくる。    それが、エィウルスの性器であることに気付くまで、そう時間は掛からなかった。  身体の自由など、もうどうでも良かった。  引き裂かれる痛みと、熱。  己の身体を蹂躙する、目前の逞しい肉体。  銀の髪が、レイレスの頬を乱雑に撫でる。  滲んだ視野の中、白銀の双眸が、こちらを見下ろすのをレイレスは見た。    レイレスはその頬に、手を伸ばしていた。  触れれば、その頬は見た目よりももっと熱を含んでいた。   エィウルスは、レイレスの指を捕らえ、口へと運んだ。  ざらりとした感触は、レイレスの肉体から僅かに痛みを和らげる。 「…ィ、ウルス……」  レイレスは譫言のようにその名を呼んだ。  エィウルスは、レイレスの頬に唇を寄せる。レイレスは、その時ようやく己が泣いていることに気付いた。  エィウルスの咥内から放された指をその首に回すと、そのままレイレスは引き寄せた。  小さな唇を差し出せば、エィウルスはそのまま深く口付ける。舌を絡ませ、そのままレイレスはきつく吸い上げた。  僅かに離れた唇の隙間で、レイレスが呻く。 「…っ、…も、っと……」  何がほしいのか、レイレスは分からないまま口にしていた。だが、エィウルスはその答えを知るように唇を差し出した。 「…ん…ぅ…」    貪るように咥内を蹂躙するその舌から、甘いものが溢れた。  レイレスは奪うように吸い上げる。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加