完璧男子に類なし again

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一歩進むごとに・・・俺の耳元で甘い喘ぎが聞こえる。 「だ、めぇ・・・橘」 こいつは気づいているのか。 その震える声が、熱い吐息が、 俺を興奮させていることに。 脱衣所を抜け、ようやく浴室にたどり着く。 ようやく、と言っても、たった十数歩のことだったが、 それだけでも長く、激しく感じた。 「ほら、瀬戸。着いたぞ」 「あ、あ・・・ぁ」 片手でシャワーを出し、湯で壁を温めてから、 瀬戸を寄りかからせる。 身体を離し、シャワーを瀬戸にもかける。 「んあ・・・たち、ばな」 赤い顔をしてうっすらと目を開く瀬戸。 人目で欲情しているとわかるその表情に、俺の呼吸も早くなっていく。 「橘の、バカ・・・」 「あ?なんだと?」 「だ、だって、繋がったまま・・・移動するなんて」 「・・・仕方ないだろ。床、あれ以上汚すわけにもいかないし」 「嘘だ。したかっただけのくせに・・・」 「だけど良かっただろ?」 「なっ・・・そ、れは・・・」 恥ずかしくなったのか、顔を背けてしまう瀬戸。 まったく・・・可愛いやつだ。 瀬戸の顎を掴んで上を向かせる。 そして、濡れた唇を奪った。 「ん・・・んむ」 「・・・っふ、俺もすげぇ・・・良かった」 「んあ、っ・・・橘」 「俺の耳元で、エロい声で鳴きやがって」     
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