完璧男子に類なし again

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完璧男子に類なし again

ぼーっとテレビを見ていると、突然目の前に何かを差し出される。 ・・・ハガキか? 「同窓会のお知らせ、だって」 沙綾が目の前のそれをヒラヒラ揺らす。 「どけ。テレビが見えない」 「大悟、行ったら?毎年行かないのもどうかと思うよ。せっかくこうやってハガキくれるのに」 「別にいいだろ。クラスで仲良いやつもいなかったし」 「そう?それならいいけど」 高校を卒業してから、ずっと届く同窓会のハガキ。 ずっと無視し続けてきた。 クラスで孤立していたというのもひとつの理由だけど、 一番の理由は・・・ 会いたくないやつがいるからだ。 いや、会いたくないんじゃなくて、 会ってはいけない、だな。 あれから、7年。 あいつはもう忘れているに違いない。 俺のことなんて。 だけど、 俺は、まだ・・・ 煙草に手を伸ばそうとした俺の手を、沙綾が掴む。 「・・・なんだよ」 「吸うの、ちょっと待って」 そう言って、沙綾は俺の唇を奪う。 こいつの強引さは変わらない。 「はい。いいよ、吸って」 「別に煙草吸った後でもいいじゃねーか」 「だめだよ。あたし煙草の臭い、苦手なんだもん」 「苦手って・・・どうすんだよ」 「何が?」 「来月から、一緒の家に住むのによ」 「そしたら大悟に禁煙してもらうもん」 「はあ?しねーし」 「うふふ」 もう一度、唇を奪われる。 今度はすぐには離れなかった。 「ん・・・大悟」 沙綾は俺の舌を絡め取って、 さらに膝の上に乗ってくる。 太股で身体を挟まれると、ドキッとする。 男の性、だ。 「・・・しよっか」 「ったく、サカってんじゃねぇよ、肉食系女子が」 「大悟が動いてくれないからでしょ?」 ・・・仕方がない。 持っていた煙草をテーブルに戻し、 その手で沙綾の身体に触れていった。
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