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夕暮れ。オレンジ色に染まった空を雲がゆっくりと流れていく。 その夕日を遮る木陰に、すやすやと寝息をたてて眠る一人の青年の姿があった。 ふと彼の頭の上に影が差す。 「ん……」 目を開けてみると、目の前には緑色の髪の女がいた。 「…」 ―――…夢か……――。 「おいこら!夢じゃないぞ!」 コツンと頭を叩かれた。無理やり起こされた。なんだこの女は。 「んだよ…人が気持ちよく寝ているところを」 「スカウトしにきました」 「ったく」 しつけぇ、と上半身を起こしながら、ウツギは頭をガリガリと掻いた。 「ほんとに何で俺のことストーカーしてるワケ?」 「ストっ…!?ストーカーじゃないわよ!ただ、あなたは企画部にとって使える、と思ったから、誘ってるだけ」 「だけなら他の奴でもいーんじゃね?」 「いいや」 「はぁ?」 「これは直感だけど、あなたからは才能を感じる」 「はぁー??」 ウツギが雑にベンチに座りながら、片眉を上げる。いくらなんでもこの女、しつこい。 「断じて嫌だね。そろそろ学生課に被害届出すぞ」 「心外。っていうかウツギくん、忙しい、忙しいって言っておいて、大体いつもここで寝てるじゃない。暇じゃん」 「暇じゃねーよ…俺だって出席日数考えて授業出て…」 はた、とそこでウツギは言葉を紡ぐのを止めて目を丸くした。 はて。
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