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「ねーねー」
鈴がお昼休憩に屋上のベンチで
お弁当をつついていると、
同期の成瀬美香がコンビニ弁当を
ぶら下げてやってきた。
温かな日差しが、
屋上のベンチを温めている。
「お疲れ」
「鈴のところの新しい上司、
なんか良い感じじゃない?」
「大曾根部長のこと?良い感じって?」
美香はコンビニ弁当のビニールをはがしながら、
解説を始めた。
「まず、180オーバーの身長に加えて
手足の長さ、肩幅、背中の広さ。
それに、陰のある空気感。
花形営業部の部長を30代で任される実力。
・・・って聞いてんの?!」
「聞いてるよ。スタイルが良いのは認める。
それ以外はまだわかんない」
「もう、チンタラしてたら、
私がとっちゃうよ!」
「上司部下とか、ありえないっしょ。
ていうか美香、彼氏いるじゃん」
えへへ、といいながらお弁当をつつく美香は、
とてもかわいい。
羨ましくもあるけど、上司との恋愛は、
できれば避けたい。
できれば。
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