見せろ! 誠意! 謝罪戦士ゴメンナー

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「なんじゃと?」 「素直に謝れない現代人に代わって謝罪する。それこそ謝罪戦士ゴメンナーの使命なのだ。よって、謝らせろ。今すぐに。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」  バカの一つ覚えのように連呼される言葉に誠意などない。老人の怒りは青年からゴメンナーへと変わった。 「きさまー、ふざけるのもいい加減にせい! 誠意が足りん。心がぜんぜんこもっとらんではないかー!!」  老人は顔を真っ赤にし、ゴメンナーとの距離を詰める。拳を固く握り、細い腕を振りまわしている。  おいおい。ケンカとかマジ勘弁してくれ。青年はいよいよとなれば、警察を呼ぶ覚悟をした。  一方、ゴメンナーは一歩、二歩とあとずさると、ラジカセをそっと床に置いた。それからおもむろにひざをつき、両手を地につけ、顔を地面にぶつけんばかりに近づけた。見た者が言葉を失うほどの土下座が完成する。  これぞ謝罪戦士ゴメンナーの必殺技・大地への接吻(キストゥガイア)である。
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