樹海の中のコンビニで店員をやっています。

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そろそろキャンプ出来そうな場所を探すことにした。 と、突然、一本の道に出くわした。 左右には鬱蒼とした樹海。1.5車線の簡易舗装の道が一直線に伸びていた。 そして、コンビニがポツンと一件営業していた。 「あ~道を間違えた、樹海横断道路に出ちゃった。」 「えっ、でもどこで間違えたんだろう」 「そもそも、ここどこだ」 「まぁ、いいや、コンビニでの店員さんに尋ねてみよう」 たとえ一日半の単独行動でも独り言が多くなる。 コンビニの自動ドアをくぐった。 ピョロロローンのチャイム、 二人の店員がカウンターに立っていた。 二人とも見事なスキンヘッド。 ホント、剃りたてホヤホヤのお頭って感じだった。 普通のコンビニだった。 店内で購入した物を食べれるイートインコーナーが設けられていて、椅子とテーブルはガラス越しに暗闇を向いてた。 テレビCMでキャンペーン中のスィーツが目立つ場所に陳列されていた。 他のお客さんの気配はあるが、なぜか姿が見えなかった。 マイブームのストロベリークリームのバームクーヘンは最後の一個。 躊躇なく買い物かごに放り込んだ時に、僕の手元を凝視する視線に気が付いた。 視線の送り主、男性、おばはん、ガキだったらガン無視、 女子だったら話は断然違う。 で、送り主は後者だった。     
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