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縁側に面した庭へ出ると、柿の木の根元に穴を掘った。
その穴へ、連れ帰った二匹を寄り添わせるように並べて埋めた。
少年は、ずっと母親を待ち続けていた。
段ボールに入れられて、あの場所に捨てられ、そのまま誰にも気付かれずにいたのだろう。
命の灯火を消してからも、ずっと――
母親は、そんな子供を捜し当てた。
二匹はようやく出会う事が出来たんだ――
そんな勝手な想像が、俺をこんな行動へと導いた。
あの少年がこの猫だと言う確証がある訳ではない。
けれども、そのまま素知らぬ顔で、この猫達を保健所に引き渡すなんて事は……俺には到底出来そうになかっただけだ。
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