コンビニ夜話

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  ◇  程なくして、こんな俺にも彼女が出来た。  俺と同じ身の上で、家族がいないと言う彼女。  そんな彼女と意気投合して、とんとん拍子に交際が進み、遂には同棲してこの家で一緒に住むようになった。  そしてそのまま結婚に至り、二人の間に子供が生まれた。  笑顔の可愛らしい、猫っ毛の男の子だ。  俺は今日も、まだ幼い息子の手を引いて、近所のコンビニへと向かう。 「おにぎりの具は何がいい?」 「もちろん、おかか!」  息子は、間髪入れずにそう答える。  俺は笑って、コンビニの棚からおかかのおにぎりを取ると、息子の小さな手のひらの上にぽんと置いてやった。  ~終~
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