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その日も俺は、おかかとツナのおにぎりにペットボトルのお茶、そして肉まんを買ってコンビニを出た。
あの定位置には、またしても例の少年が、一人ぽつんとしゃがみ込んでいる。
時計は夜零時を回って、とっくに日付は変わっていると言うのに――
(普通に考えておかしいだろ。まさか、ネグレクト?)
そんな俺の視線を感じ取ったのか、少年がふと顔を上げてこちらを見た。
目線を逸らさず、じっとこちらを見つめて来る。
が、気のせいか、その目は俺を捉えてはいないような……
「あ、もしかして、コレ?」
そう言ってコンビニ袋を掲げると、少年の腹がぐうと鳴った。
「腹減ってんの? 良かったら一緒に食う?」
その言葉に、少年の瞳がきらきらと輝いた。
俺は少年の隣に腰を下ろすと、袋の中からおにぎりを取り出した。
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