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こんな自分を変えたくて。
陽だったら、変えてくれる気がして。
頭で考える前に言っていた。
――高瀬さん、寒くて死にそうなんで、あっためて下さい。
って、とてつもなく陳腐な台詞を。
それを聞いた陽は目を丸くして、「へ?」って今まで聞いたことのないような、間の抜けた声を出していた。
大して喋ったこともない後輩に、突然こんなことを言われたら驚くのは当然で。
その後、陽は困ったような顔をして、スーツの上着をわたしに羽織らせると、すぐにタクシーを捕まえた。
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