scene.2

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 こんな自分を変えたくて。  陽だったら、変えてくれる気がして。  頭で考える前に言っていた。 ――高瀬さん、寒くて死にそうなんで、あっためて下さい。 って、とてつもなく陳腐な台詞を。  それを聞いた陽は目を丸くして、「へ?」って今まで聞いたことのないような、間の抜けた声を出していた。  大して喋ったこともない後輩に、突然こんなことを言われたら驚くのは当然で。  その後、陽は困ったような顔をして、スーツの上着をわたしに羽織らせると、すぐにタクシーを捕まえた。
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