scene.2

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 陽が目を覗き込むように顔を近付けてきたから、咄嗟に目を逸らす。  わたしの耳に、かちゃりと鍵の閉まる音が届いた。 「なんで鍵閉めるの?」 「せっかく可愛いんだからさぁ、そんな言い方ばっかしてたらもったいないよ? もっと愛想よくしたら?」  質問を無視したその言葉に、陽が一体何の話をしているのかわからなくて、頭にハテナが浮かぶ。  あ、さっきの高嶺の続きか……。  陽に言われたら、本当に嫌味にしか聞こえない。  全然興味なんかない癖に。
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