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「俺が誘ってたら、行ってた?」
その意味がわからなくて、眉をひそめる。
すると、陽は丁寧に質問を繰り返した。
「あの日がなくて、ただの先輩の俺がさっきの奴みたいに誘ってたら、行ってた?」
陽が言う“あの日”は、確認するまでもなく、二人の関係が始まったあの夜のこと。
「絶対行ってない」
「だろうね」
陽は肩を揺らして、さも楽しそうに笑う。
腕時計に視線を落とすと、
「あ、出なきゃやばい。前頼んでた書類、出来たら俺のデスクに置いといて」
と言って、部屋を出ていった。
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