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案の定悪酔いして、重い体を引きずるようにバーから出ると、こんなわたしを馬鹿にするみたいに、雨がたくさん降っていた。
傘なんて持っていなくて立ち尽くしていたら、同じように軒先で立ち往生している男の人がふたりがいた。
その人たちは酔っているのか大きな声で話をしていて、後から来たわたしの存在を気にすることなく、話を続けた。
まるで武勇伝のように声高に語られる話に、胸が握り潰されるように痛んだ。
そして、頭に蘇る彼の声。
――なんかさー、あいつ重いんだよね。固いしさ。まだヤラせてくんねーし。
彼らが話していた内容は、高2の時に付き合っていた人にわたしが言われた言葉そのままだった。
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