239人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
探しても探しても全然捕まえられなかったタクシーを、陽はすぐに捕まえてきたから、それもなんだか魔法みたいに思えて。
やっぱりこの人だったら変えてくれる、なんて、根拠の全くないことを、ふらつく体を陽に支えてもらいながら思った。
陽の家に着いて、「風邪ひくから」と、お風呂を勧めてきた陽に抱きついた。
陽が、手を出すつもりで家に連れてきたのか。
それとも、そういうつもりはないけど、とりあえず連れてきたのか。
どっちなのかはわからなかったけど、抱きついたまま何も言わないわたしを、陽は何も聞かずに抱きしめ返した。
最初のコメントを投稿しよう!