scene.2

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 その後のことは、今まで味わったことのないような痛みと、気が遠くなりそうなほどの快感に意識を繋ぎ止めるのに必死で、ほとんど覚えてない。  はっきりと覚えているのは、痛みに思わず顔を歪めてしまった時に、陽が一瞬見せた驚いた顔。  咄嗟に顔を背けたわたしに、陽は何も聞かなかった。  でも、元からわたしに優しく触れていた指も、唇も、もっともっと優しく、まるで壊れ物を扱うように触れてきたから、きっと気付いてたんだと思う。  朝目が覚めたら、昨日の自分でも持て余すような、ぐちゃぐちゃと渦巻く気持ちは変わっていた。  もっともっと持て余すような、自分への呆れと嫌悪、に。  そして、隣で綺麗な顔で眠る陽への、自分ではどうしようも出来ない、全くの予想外のやっかいな想いまで、オマケに付けて。
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