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「またそんな残して……。ほら、食べなって」
「んー……。いらない」
「もー、午後辛いよ?」
「へーき」
「平気じゃな……あ」
「なに?」
水のペットボトルを開けながら詩穂の目線を追うと、社員食堂の入口には陽がいた。
数人の女子社員に囲まれて。
「高瀬さん、今日もモテてるねー」
「……どーでもいい」
ペットボトルを握る手に勝手に力が入り、ペコッと小さな音がした。
陽はわたしと同じ営業部。
成績が良くて顔が整っているからか、陽はモテる。
お昼休みの社員食堂。
退社時のエントランス。
いつも陽はあんな感じで、女の子に囲まれている。
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