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「佐々木さんっ」
資料室のドアを閉めたところで、背後から名前を呼ばれた。
振り返ると、見たことあるようなないような、20代後半くらいの男の人が立っていた。
「……なんですか?」
「今日良かったら、ご飯行かない?」
開口一番のその不躾な申し出に、一瞬考える。
なんて断るか。
「今日は予定があるので。すみません」
「じゃあ、明日は?」
名前も知らないその人は、間髪いれずにそう返してくる。
「明日も予定があるので。すみません」
一応頭を下げて踵を返した時、「待って」という言葉と一緒に、肩に手を置かれた。
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