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なにがどうしてこうなった? いや、ナニをアレしたからこうなったのか。
俺は今、何故か姉貴の部屋で正座している。お姉様、凄くいい笑顔なのがたまりません。集中砲火の予感しかしません。骨拾わないでください。
「いやぁ、まさかCD借りに行ったら弟のオナニー見るとはねぇ」
大学生の姉の口から恥ずかしげもなく「オナニー」と出ます。俺も俺だけど姉も姉です。
「しかもさ、お隣の和樹くんの名前呼びながらってのがまたさ」
「……」
完全にあいたたた…な部分から見られてた。ってことは…。
「しかも自分で後ろ解しながらなんて、アンタ結構な好き者よね」
「もっ、もう勘弁してください」
土下座でも何でもしましから、これ以上は止めてくださいお姉様。これでもガラスのハートなんです。繊細なんです。変態ですけど。
姉貴は尚もご機嫌だ。なんせこの人筋金入りの「御腐れ様」だ。きっと俺の事もネタくらいにしか思っていない。
それを証拠に、姉貴の勝ち誇った笑みが俺を見下ろしている。
「で? 和樹くんの事が好きなわけだ」
「あ、いや、その……」
「もしかして…両思い?」
「いや!」
「しかも既にラブラブなエッチとか!」
「違うし!」
ダメだ、この姉に勝てない。俺がアホなのもある。分かりやすいのもある。
なんにしても、詰みどころか完全アウトだ。
「もしかして、私のコレクション見てたのもアンタ?」
「…違いますよ」
「嘘ね。私、本の並びとかすっごく拘ってるんだから」
…違和感持ってたわけですね、はい。でもまさか弟がとは思わなかったんですね。
で、どうすんの姉貴、この空気。弄り倒してフォローなしにリリースとか止めてよ。
「それにしても、まさかこんな身近にリアルがいたとは。世の中狭いなぁ」
「ははっ、そうっすね…」
腐った姉の弟がリアルって、どんな下世話な奇跡だよ。
「ねぇ、やっぱり痛かった?」
「もう止めてったら!」
実姉の前で泣きべそ土下座をした俺は、どうにか姉貴の魔の手からリリースされました。
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