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部屋に戻ってきても気力がない。俺は真っ白になった。
一応姉貴は「誰にも言わないから」とは言ったけれど、バレたからにはちょいちょい聞いてくると思う。なんせ、男同士のアハンウフンが三度の飯より好きな人だ。こんな美味しい話に食いつかない方がおかしい。
床に座って、携帯を見た。
今日も、連絡はない。
もう夏休み始まって、一週間以上経つのに。
溜息ついても仕方がない。和樹は水泳部の合宿に行っている。夏休み始まって直ぐだ。結局デートもあれ一回。セックスなんてもってのほか。
分かるよ、テストとかあったし。和樹は合宿なのも知ってたよ(忘れてたけど)
「電話とか、ラインくらいしろよ…」
やっぱ、たった一度の奇跡だったとか? 実は他に可愛い女の子できたとか? 和樹モテるから、女の子入れ食いなの知ってるし。
思ったら、なんか寂しくなってきた。俺ばっかり和樹の事考えて、おかずにしてるのかなって思ったら、すっごく悲しい。
「和樹のばかぁ……」
体育座りの膝に顔を埋めて、俺はもの凄く後ろ向きになっていた。
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