妄想痴漢列車2―変態な俺の初めての夏休み―

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 部屋に戻ってきても気力がない。俺は真っ白になった。  一応姉貴は「誰にも言わないから」とは言ったけれど、バレたからにはちょいちょい聞いてくると思う。なんせ、男同士のアハンウフンが三度の飯より好きな人だ。こんな美味しい話に食いつかない方がおかしい。  床に座って、携帯を見た。  今日も、連絡はない。  もう夏休み始まって、一週間以上経つのに。  溜息ついても仕方がない。和樹は水泳部の合宿に行っている。夏休み始まって直ぐだ。結局デートもあれ一回。セックスなんてもってのほか。  分かるよ、テストとかあったし。和樹は合宿なのも知ってたよ(忘れてたけど) 「電話とか、ラインくらいしろよ…」  やっぱ、たった一度の奇跡だったとか? 実は他に可愛い女の子できたとか? 和樹モテるから、女の子入れ食いなの知ってるし。  思ったら、なんか寂しくなってきた。俺ばっかり和樹の事考えて、おかずにしてるのかなって思ったら、すっごく悲しい。 「和樹のばかぁ……」  体育座りの膝に顔を埋めて、俺はもの凄く後ろ向きになっていた。
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