妄想痴漢列車2―変態な俺の初めての夏休み―

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 和樹は少し寂しそうなのか、黙ってしまった。  この沈黙が耐えきれなくて、思わず何かを言おうとした時に和樹は話し始めた。 『亮二、明日の夕方からって空いてるか?』 「え? うん」  突然のお誘いに俺がびっくり。だって、合宿…。 『明日で合宿終わって、昼くらいには帰るからその後で会いたい』  会いたい。会いたい? 本当に俺に会いたい? 『嫌か?』 「嫌じゃない! 待ってる!」  俺の青春恋愛ストーリー終わってなかった!  電話の向こうで、凄く楽しそうな笑い声が聞こえる。勢い良すぎたかな。 『そんなに、俺が恋しかったの?』 「それは……」  だって、恋人一ヶ月未満だよ? 恋しくないわけないじゃん。本当ならラブラブいちゃいちゃで周囲が砂糖吐く感じだよ。  それが、部活とテスト勉強に忙殺された挙げ句、ほったらかしで合宿だもん。恋しいやらムラムラするやらで大変なんです。 『それじゃあ、俺がいない間自分でしてた?』 「え?」  固まった。何で知って……いやいや、知ってるはずないし! 「してない!」 『本当?』  くすくす笑う声が楽しそうにしている。声がなんか、甘く低くなった? 何でいきなり電話口でエロ声出してんの! 『本当は、俺をおかずに自分でしてたんじゃないの?』     
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