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「よく見るとケータイストラップまでウサギなのね」
「うん」
少しはテンションをあげているだろうか御主人は。
「あんたがスマホに変えないの、これつけてられるから?
「うん。仕事用はスマホだけどね」
「スマホに変えなよ。LINEグループ組もうよー」
「考えさせて」
しばらくデザートに食いつくふたり。
そして。
「そういやあんた、よくダンナの子だってわかったね」
「彼と2か月以上逢ってなかったんだもん」
彼女は肩をすくめた。
「なんでまた」
「来月まで出張でアメリカ行ったっ放しなんだカレ」
「なるほどね。それで欲望に負けて旦那とやったと」
ご主人のあまりの言い様に、彼女は何も言い返せないようだ。
「これで中絶するのなら旦那に言い訳いるよ」
「それを考えるのも頭痛いよ」
「3人目とかならお金がどうのと言えるけどね……」
はあ、と二人でため息をつく。
「というわけで今回はエロケ話はなしね、ごめん」
「いや別に欲してないから」
「あんたののろけ話、『淑女の雑誌から』に採用したいって前に言ってたじゃん」
念のために断っておきますが、「淑女の雑誌から」とは、女性向けの雑誌に掲載されたエロ記事を採用するコーナーですので、毎号読まれてらっしゃる方はご存知かと思いますが。
「冗談よ」
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