ケータイストラップは見た! 週刊文春女性編集長編

7/17
前へ
/17ページ
次へ
「よく見るとケータイストラップまでウサギなのね」 「うん」  少しはテンションをあげているだろうか御主人は。 「あんたがスマホに変えないの、これつけてられるから? 「うん。仕事用はスマホだけどね」 「スマホに変えなよ。LINEグループ組もうよー」 「考えさせて」  しばらくデザートに食いつくふたり。  そして。 「そういやあんた、よくダンナの子だってわかったね」 「彼と2か月以上逢ってなかったんだもん」  彼女は肩をすくめた。 「なんでまた」 「来月まで出張でアメリカ行ったっ放しなんだカレ」 「なるほどね。それで欲望に負けて旦那とやったと」  ご主人のあまりの言い様に、彼女は何も言い返せないようだ。 「これで中絶するのなら旦那に言い訳いるよ」 「それを考えるのも頭痛いよ」 「3人目とかならお金がどうのと言えるけどね……」  はあ、と二人でため息をつく。 「というわけで今回はエロケ話はなしね、ごめん」 「いや別に欲してないから」 「あんたののろけ話、『淑女の雑誌から』に採用したいって前に言ってたじゃん」  念のために断っておきますが、「淑女の雑誌から」とは、女性向けの雑誌に掲載されたエロ記事を採用するコーナーですので、毎号読まれてらっしゃる方はご存知かと思いますが。 「冗談よ」     
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加