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偶然にもこっちの世界に来てしまい、こっちの世界のことはよくわからなかった。
なので、自分の世界と同じ感覚でやってしまうのだ。
このコンビニの店長は、とても人相が良く、行き場を失ってしまった彼女を雇うことにしたのだ。
店長には16歳くらいに見えたのだ。
彼女の住みかは、コンビニの上にある古い家だ。
「今は、誰も使ってないから家賃は要らないよ」と、店長は言ってくれた。
しかし、一人で住まわせるのは不安だからと、ぼくに「一緒に住んで欲しい!」と、言いだしたのだ。
僕は御陵桃李(みさぎとおり)16歳。
彼女よりも6つ歳上だ。
女の子と一つ屋根の下っていうのはちょっと…。とは思ったが、致し方あるまい。
彼女だって断固拒否している。
だって、こっちの世界では、まだ未成年の女の子なのだから。
異世界から来たコビーニちゃんからすれば、立派な大人で、自立する歳なのだろうけど。
コビーニちゃんはコンビニのおにぎりにウサギの耳と顔としっぽまで付けた。
「う~ん。今日も可愛くできたぁ!」
コビーニちゃんは嬉しそうに満面の笑みを浮かべている。
それを眺めるのが、僕は結構好きだったりする。
彼女の能力を知っているのは僕だけだ。
他の人は誰一人として、コビーニちゃんの能力を知らない。
もちろん、異世界から来たということも。
僕は、コンビニの近くの高校に通っている。
そもそも、コビーニちゃんのことをこんなにもこと細かく知っているのか、自分でもさっぱりだ。
コビーニちゃんと初対面した時も、初めて会ったとは思えなかった。
「僕ももしかしたら…」なんて、考えることはしばしばだ。
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