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「はいっ......受け取っておいてください」
そんな会話をしながら、俺は風魔法で四人を衛兵のところまで連れていかせた後、女と一緒に学園に向かうことにした。
時間は早朝。女がいうにはもうすぐで授業というものが学園で始まるらしい。
走って学園に急いでいる女に付いていきながら、俺は女に礼を言われたときのことを思い出していた。
───本当にありがとうございましたっ......
助けられて、礼を言っているのは違和感がなかった。
しかし、あの時の女の表情は何処か寂しそうだった。
- - - - - -
「おい、女」
「えっ......女というのは私のことでしょうか?」
「お前以外誰がいる。それよりだ。どうやってこの学園に入れるんだ」
「......そうですね......編入試験を受けて、合格すれば入学できますね」
「試験......か」
無事、学園に着いた俺と女は校門前で少し休憩をしている。
俺は全く疲れてないが、女は肩で息していた。
「時間は大丈夫なのか?」
「......はい。まだ五分ほどあるので......ここから三分くらいで教室に着きますから」
「そうか」
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