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編入試験......勇者が通うこの学園の教官達はさぞかし強敵なんだろうな......楽しめそうだ
「───エミール・セリエ」
「......? いきなりなんだ」
そんな考え事をしていると、唐突に隣からそんな声が響いた。
「女、ではなくエミールとお呼びください。王立ベルフィナ学園二学年に所属しています。あなたの名前はなんでしょうか?」
ふーん......この女年上か。
「......名前はベン。六歳から冒険者、傭兵をやって来た。学歴は無し。所属はギルド『フランベルジュ』だが、今日明後日にはここの所属となる。これからよろしく頼む」
「はいっ......よろしくお願いします。ベンさん」
「俺は今からあなたの後輩となります。エミール先輩、敬語は要りませんよ?」
いきなり口調を変えた俺に、エミール先輩は瞠目したが直ぐに笑顔を浮かべる。
「......いえ、私の癖なのでおきになさらず。ベンさんは大丈夫ですか? いきなり変えるなんて」
「立場をわきまえた結果です。それより、エミール先輩。遅れますよ?」
「あ、そうでした! では、ベンさん。また近い内に」
「はい」
走っていく白髪の少女に俺はつい目でおってしまう。
その美しさもある。
そして可憐さでもある。
しかし、何故目で追ってしまうのか。
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