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───前にそびえ立つ大きな門を前に、思わず俺は目を見張った。
だが、そんなことはどうでもいい。俺は強くなるためにここに来たんだ。
「観光なんて強くなった後でいい」
勇者に出会って今の俺の強さを計ってもらい、俺はその計られた強さの十倍の努力をこれからして、決闘を申し込むという未来の予定がある。
早く勇者が通うという噂の学園に編入して強くなるんだ......
そう意気込み通り抜けようとすると
「待て」
と、門番に制止された。
「......何だよ」
「通行証を見せろ」
は? 通行証なんて商人しか持ってないだろ。俺が持ってるわけないのになんだこの馬鹿は......
「俺は商人じゃない」
「じゃあ身分証は? どこかのギルドに所属してるならギルドプレートを見せろ。それが身分証になる」
「なんで俺が冒険者だと?」
「背中に指してる剣を見れば分かるさ。ほら、早く見せなさい」
「......チ」
面倒くさいと舌打ちをしながら、俺は首に掛けてあったギルドプレートを門番に見せた。
「これでいいか?」
「......っ!?」
紫に光るプレートを門番がその手で確認した後、門番が驚愕した。
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