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「止めて下さいっ......穢れた手で私に触れないでっ!」
「穢れてるのはどっちもどっちだ。お前ら貴族のせいで家族が貧困になってる家はたくさんあるっていうのにその責任を被うとしない貴族も穢れてるし? 今からその鬱憤の掃き溜めとしてお前を犯す俺らも同類で穢れてるしな。ま、同類同士仲良くヤっていこうや。な?」
「......っ!」
確かに男がいってることには一理あるな......このまま傍観するのも手か......
「私はユーチリス家のジーク様と政略結婚することとなったセリエ家の長女......もしそんなことをしたらあなた方の家族はユーチリス家並びに私の親によって抹消されるかもしれませんよ......? 余りこういう脅しはしたくありません。いや、忠告でしょうか? ......ですが私の親ならやりかねませんからね......」
「......っ」
僅かに俺の肩が揺れる。
セリエ家の長女......ユーチリス家のジーク......政略結婚......
路地裏に響く透き通った声はさらに男達に拍車をかけていく。
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