邂逅

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「さぁ......家族を失いたくばやればいいでしょう。しかし、ここは大通りからそう遠く離れていません。私が大声を出せば今すぐにでも巡回している衛兵が来ることでしょう。ということは......あなた方はどっち道、やってもやらなくても最初から負けてたんです。さぁ? どうしますか? 逃げても運命は変わりませんが......」 なるほど......分かった。  俺は少し黙考した後、剣を握った。 この女......少し利用させて貰うか  不敵な笑みを浮かべながら、行く末を見守り、機会を伺う。 セリエ家の長女さん。あんた分かってないな。相手を追い詰めすぎるとどうなるかを...... 「......はっ......うるせぇよ......! 調子に乗んな糞女ッ!」  男がそう叫んだ瞬間、四人の男は一斉に女に飛び付いた。 「きゃっ......!?」 あーあ......追い詰められたらやけくそになってさらに面倒くさくなるってのをこれまで学習してなかったのかよ......あの女は  口許を抑えられ、頼みの綱であった声という手段が消えた。 「んッ......んッんんッ!!」 「プハハハハっ! おいお前ら、こいつ泣いてるぞ! おーい叫ばないのかよ? 誰も助けに来てくれねぇぞ?」  男が醜悪な笑顔を浮かべながら、女が着ている制服とスカートの間に手を思いきり突っ込もうとしたとき ───一陣の風が吹いた。 「どわぁ!?」「なん......!?」「ぐぅっ......」「っこれ......は!?」 「───!?」     
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